コロッケ。
昨日仕事の帰りに買い物をしました。
日曜の夜は少しいつもより贅沢をしてもいいことにしています。
でも、買いたいものが売り切れてしまっていて、
とりあえずコロッケを買うことにしました。
ショウケースに入っていて、おそらく3段ぎっしりに
並べられていたであろうコロッケは、
3段合わせても、残り5~6個しか残っていなかった。
その内の一番上の段にあった3個のコロッケを
トングで挟んでパックに入れ輪ゴムをしてかごに入れました。
なんとなく、待っている人の気配を感じて、
トングを戻して、扉を閉めたら、
気配の人が、扉を開けて、2段目の棚に1つだけあったコロッケを
トングで挟んで、ナイロン袋に入れた。
ななめ後ろからその男性を見たら、
高校一年の時に同じクラスだった同級生の男子だった。
しかも、高校一年の時に一番好きだった男子。
私を見ても気が付かなかったと思う。
憶えていないと思う。
久しぶりだけれど、実は正確には久しぶりではない。
もういつだったか忘れたけれど、
ここ一年以内だったと思う。
私は閉店になる前の、以前の職場に勤めていた時、
一度だけ彼を見かけたことがある。
『ああ、地元に住んでいるんだ。』
と思って、懐かしかった。
その時彼は、
商品券を買いに来ていた。
『お熨斗はどうされますか?』
と同僚が尋ねたら、
『粗供養で名前は○○でお願いします。』
と答えていた。
彼に間違いなかった。
もう、40年以上振りだった。
でも、私のことは憶えていないだろうし、
こちらを見たわけでもなかった。
それから、今回のコロッケの件まで、
会うことはなかった。
コロッケを一つだけ買ったことが
気になった。
私は一人暮らしだけれど、
3つ買った。
一つだけ買うってことは、
一人で食べるのだろう。
それと、以前の
『粗供養で』
というのが重なって、
なんとなく悲しい気分になった。
何でもない事なのに
ありがちなことなのに、
一人で彼のことを勝手に想像してしまった。
本当のことは、
永遠に分からないと思う。
もう、偶然でも
会うことはないかもしれない。
おじさんになっても、
八重歯があって可愛かった。
変わっていなかった。
どんな人生を歩んできたかも、
これからも知ることはないだろうと思う。
お互いに。
そう思う。