愛されるために生まれてきた

愛する人を亡くして 愛されていたことに気が付きました。

父の日。

おそらく、

父の日ではなく

父の誕生日だったかもしれない。

小学校の近くのなんでも屋さんで、

父へのプレゼントを買った。

小学校の何年生の時だったか?

 

私の家は、お金に無頓着というか、

全くお金持ちではなく普通だったのだけれど、

よその家のように子供にしつけの意味で

おこづかいを与えないとか、

そういう家ではなかった。

何でも買ってくれるというのでもないけれど、

ぐずったら買ってもらえたし、

諭されることもなく、

私も兄も好き放題やっていたと思う。

 

そして、父へのプレゼントに買ったのは、

何かわからない小さなメモ帳のようなものが連なったもの。

お父さんの好きそうな群青色の液体が入った小瓶。

 

他にも買ったかもしれないが、

結局使わずにずっと置いてあったので、

その二つは覚えています。

 

それが何だったかといえば、

一つは、英語の単語帳。

もう一つはインクのビン。

 

父は、何でも喜んでくれた。

娘に貰ったら、何でも嬉しかったのだろうな。

単語帳をもらって喜ぶ父なんて

他に居るだろうか?

でも、単語帳もインクのビンも

どちらも使われることはなかった。

 

万年筆は使っていたけれど、

瓶に入ったインクは使わなかった。

仕方がない。

 

私は、それに限らず、

使わない、無駄なものをよく買っていた。

無駄だけれど欲しいものばかり。

父は決してそれを怒ったりはしなかった。

優しかったなと思う。