愛されるために生まれてきた

愛する人を亡くして 愛されていたことに気が付きました。

昔住んだマンション。

マンションを買うつもりなんか

勿論ありませんが、

時々、住宅情報を見ることがあります。

 

昔、30年位前、バブルの頃、

分譲マンションを探しました。

夫とふたりで、毎日マンション探しをしていました。

あの頃は、新築マンションがものすごい倍率で、

申し込んでも申し込んでも、

当たることはありませんでした。

 

二人とも、何かに取りつかれたように、

私たちの生きる道は、これしかないのだと思い込み、

申し込み続けました。

 

そして、やっと、少し倍率の低いマンションに

当選しました。

少し田舎の方です。

それまでのマンションよりも価格も安かったので、

私は内心ホッとしていました。

 

私だけ仕事をやめて引っ越しました。

二人だけで暮らしました。

10年もは住まなかったと思います。

夫の母が亡くなり、

夫は実家で暮らすこととなったからです。

勿論私も一緒に行きます。

 

その時から、夫の二人の子供たちと

暮らし始めたのです。

 

実家を建て直しました。

無謀であったと思います。

お金なんて、

いくらあったって足りることはありません。

 

それでも、楽しかった。

娘とは、とても気が合って、

色々な話が出来ました。

義父も一緒だったので、

私にとっては緊張の毎日でしたが、

ものすごく一生懸命暮らしました。

辛かったのではなく、

嬉しすぎて、

頑張りすぎて少し疲れました。

 

私たちが住んでいたマンションは、

空き家になりました。

 

今日

中古の分譲マンションを検索していて、

私たちが住んでいたマンションを見つけました。

とても安くなっていました。

勿論私たちが住んでいた部屋とは違う部屋です。

 

建物の写真を見た時に、

胸が締め付けられるように、

苦しくなりました。

 

戻れないというのは、

何と残酷なことでしょう。

 

何もかも、幻であったのでしょうか。

今生きている、このことだけが現実で、

昔のことは、何事もなかったみたいに、

消えてしまいます。

 

夫と二人きりで暮らした、あの時間は、

戻ることはありません。

 

夫は、先に向こうに行っているだけ、

私も後から行くのです。

誰だって、いつか死ぬのです。

そうは思うけれど、

寂しくなります。