愛されるために生まれてきた

愛する人を亡くして 愛されていたことに気が付きました。

潮風の吹く町。

なかにし礼さんが、逝ってしまわれた。

とても素敵な人だったと思う。

昭和が遠くなる。

なかにしさんは、沢山の作品を残されたけれど、

私が一番に浮かんだのは、

森田由美恵のデビュー曲の

『潮風の吹く町』

森田由美恵さんは確か私と同年代で、

とてもとても歌が上手かった。

アイドル全盛期で、あまり目立たなかったけれど、

その後の曲も何曲か憶えている。

『潮風の吹く町』

『あたしの初恋』

『はんぶん大人になったのね』

の3曲は今でも歌える。

 

でも、ずっと憶えていたわけではなく、

遠い昔に忘れていた。

思い出したのは、

20年位前になるだろうか、

夫と車に乗っている時、

ラジオから流れてきた。

突然、流れて来て、

懐かしくて、懐かしくて仕方がなかった。

でも、誰の曲か

思い出せなかった。

その時は、なんとなく、

牧村三枝子のような気がして、

納得しようとしたけれど、

納得できなかった。

今なら、検索すればすぐにわかるけれど、

その時は分からなかった。

 

それから、

森田由美恵であることが分かって、

いろいろ思い出した。

『潮風の吹く町』は、

なかにし礼作詞 浜圭介作曲であることもわかった。

 

『潮風の吹く町』は、『石狩挽歌』に通じるような曲だけれど、

私は、『潮風の吹く町』が好き。

 

忘れていたのに、今は3番まで歌える。

 

昔、友達と会ったり、買い物をしたりで、

よく、大阪に出掛けた。

大阪駅で、

夫と住んでいる家に帰る電車の来るホーム。

生まれ育った実家に帰れる電車の来るホーム。

いつもそこで少しだけ迷って、

本当は、迷っていたわけではないけれど、

いつも、このまま実家に帰りたいなと、

思った。

 

その時に、頭の中で、

『潮風の吹く町』が流れる。

いつもいつも、

実家に帰りたいなと思って、

それでも、

夫と暮らす家に帰って行った。

それで幸せだった。

 

実家に帰れば、

母がいる。

それはかけがえのないことであったと今は思う。